令和3年度 福西会病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 37 78 98 189 258 369 798 956 451
当院令和3年4月1日~令和4年3月31日までに退院された患者さんの数になります。年齢を10歳単位で分けて集計しています。
 退院患者さんの合計は3,234人でした。平均年齢は72.74歳で、70歳以上の患者さんが全体の68.18%を占めており、半数以上がご高齢の患者さんとなっています。
 当院の位置する福岡市早良区は、福岡市7区の中で面積が一番広く北から東方面は都心寄りで、南西部は佐賀県境の山地があり、ふもとには田園風景が広がります。当院は同区のほぼ中心にあり、比較的高齢者の方が多い地域にあたるためと考えます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2-なし 14 16.71 20.57 35.71% 86.79
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 10 13.60 13.14 10.00% 85.30
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし
100380xxxxxxxx 体液量減少症
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2-なし
当科は、内科的疾患に幅広く対応しています。症例数は多くはありませんが、基本的に早期退院を目標としていますので、当科で扱っている上位5疾患を見ても全国平均と遜色ないか、短い日数で退院できています。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
呼吸器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2-なし 36 25.31 20.57 33.33% 86.25
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし 15 9.13 9.86 0.00% 31.87
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1-あり 手術・処置等2-なし 13 4.46 3.30 0.00% 75.08
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし
040040xx99900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし
令和3年4月~9月まで呼吸器内科医不在の影響もあり、昨年と比較し、全体的に入院患者数は減っています。しかし、10月より常勤の呼吸器内科医が入職し診療再開となった後の6ヶ月で患者数を増やしています。内訳としましては、例年同様、誤嚥性肺炎が最も多く、高齢社会の例に漏れず、地域の基幹病院としての役割を果たしていると考えます。また、誤嚥性肺炎のみならず、気胸、COPD、肺癌の気管支鏡検査や化学療法を例年よりも積極的に行っており、多岐に亘る呼吸器疾患に対して専門性を打ち出している結果と思われます。近隣の病院との連携を図りながら、今後も地域の医療に貢献したいと考えています。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1-なし 11 18.73 13.07 18.18% 81.91
070395xx970xxx 壊死性筋膜炎 手術あり 手術・処置等1-なし
080250xx99x1xx 褥瘡潰瘍 手術なし 手術・処置等2-あり
100100xx99x0xx 糖尿病足病変 手術なし 手術・処置等2-なし
080250xx99x0xx 褥瘡潰瘍 手術なし 手術・処置等2-なし
外科での入院症例で最も多いのは蜂巣炎でした。平均年齢が約82歳と高齢で認知症をともなっており、安静が保てないことと、食事摂取やADLの改善に時間を要する患者さんが多かったことが長期入院に繋がっているようです。
最近は、褥瘡が主となる病変で入院する例が少なくなっています。全身状態が悪化し、その併存病変としての褥瘡が増え、当科が関与していますが、他の診療科での入院患者さんが増えています。そのため、褥瘡回診での症例が増えています。


※(-)ハイフン…10症例未満の場合
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿骨近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 154 28.31 25.32 66.23% 85.40
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)手術なし 43 17.07 19.34 76.74% 80.07
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2-なし 16 25.00 19.02 75.00% 79.56
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 13 30.38 14.64 46.15% 80.08
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 11 29.73 18.36 9.09% 57.27
整形外科では、主に高齢者の骨折、外傷が多くなっています。
内訳で一番多いのが股関節周囲の骨折で、2番目が胸腰椎以下の骨折による入院となっています。リハビリテーション専門の病院へ転院を積極的に行っていますが、当院にある地域包括ケア病棟に移り、自宅退院までリハビリテーションを行う方もいるため、平均在院日数は全国平均よりやや長くなっています。3番目の骨盤の骨折も骨脆弱性による高齢者によく見られる骨折であり、多くの場合が自宅復帰可能迄リハビリテーションを行っているため、在院日数は長くなっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし 11 8.55 8.30 9.09% 76.91
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし
010010xx9900xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血種穿孔洗浄術等 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし
010310xx99x0xx 脳の障害(その他)手術なし 手術・処置等2-なし
頭部外傷で手術を必要とせず、保存的治療を行った患者さんの多くは高齢の方であり、転倒や交通事故による頭部打撲が主たる原因でした。外傷による頭蓋・頭蓋内損傷で手術に至った事例は、いずれも慢性硬膜下血腫によるものでした。脳腫瘍で入院加療を行ったケースは、他院での手術あるいは放射線治療後であり、化学療法およびリハビリテーションを実施した患者さんでした。低髄液圧症は、非外傷性の事例が多く、いずれも若年成人でした。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
肛門外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060235xx97xxxx 痔瘻 手術あり 75 6.48 5.74 0.00% 44.79
060241xx97xxxx 痔核 手術あり 43 7.95 5.52 0.00% 55.35
060230xx97xx0x 肛門周囲膿瘍 手術あり 定義副傷病-なし 29 5.17 7.80 0.00% 39.72
060220xx97xxxx 直腸脱、肛門脱 手術あり 10 12.10 9.14 10.00% 80.70
060260xx97xxxx 裂肛、肛門狭窄 手術あり
痔瘻の手術ありとは、深部痔瘻(坐骨直腸窩痔瘻、骨盤直腸窩痔瘻)と単純痔瘻を指し深部痔瘻は難治とされます。通常の病院、医院では治療に難渋することが多く、当院への紹介率は高いです。当院では、痔瘻に伴う肛門周囲膿瘍に対して全身麻酔下に切開排膿を行った後、いずれの型の痔瘻に対しても括約筋温存痔瘻根治術を施行しています。その成績は98%完治と他施設と比べ良好な結果を示しています。
痔瘻、肛門周囲膿瘍に限らず、当院の肛門外科の患者はほぼ他院からの紹介患者であり、殆どが加療を受けても改善しなかった症例や高齢者、抗凝固薬血小板内服、担癌状態など全身状態に問題がある症例が多いといえます。そのため痔瘻、痔核、直腸脱(肛門脱)、裂肛(肛門狭窄含む)の平均在院日数は全国平均より約1~2日長くなっています。
逆に肛門周囲膿瘍に関しては、MRIにて十分な検討が術前になされ、全身麻酔にて手術をするため、手技は過不足なく最短入院期間(当院5.17日、全国7.80日)にて
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)その他の手術あり 手術・処置等2-なし 10 18.40 10.48 10.00% 79.30
060050xx99040x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-4あり 定義副傷病-なし
04008011499x003 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)手術なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし
肺癌の治療としては内科、外科と協力して手術、肝動脈塞栓術や抗癌剤療法を行っていますが、主に肝動脈塞栓術を施行しています。当院の患者さんは全国平均と比較して高齢の患者さんが多く、若干入院日数が長くなっています。
また、喀血に対する動脈塞栓術や胃静脈瘤や肝性脳症に対するBRTO(バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術)や緊急血管造影も行っており、当科では、良好な治療成績を認めています。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 20 5.65 4.92 0.00% 71.15
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし 19 16.26 7.22 31.58% 69.11
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし 12 20.08 17.86 66.67% 82.75
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-2あり 定義副傷病-なし
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 手術・処置等2-なし
当科では、めまい症、次いでてんかんの入院が多くなっています。めまい症は脳卒中との鑑別が重要であり、てんかんは脳卒中の後遺症として出現することも多く、総じて脳血管障害に関する入院が最多になっていると思われます。
パーキンソン病の入院は薬剤調整や嚥下障害のための胃瘻造設目的の入院などがあります。また、感染症や転倒による骨折などのトラブルにより身動きが取れなくなり、内服ができずに薬の効果が切れている状態で入院するケースや抗パーキンソン病薬の急な中断による悪性症候群を来して入院するケースもあります。そのような場合は、薬剤調整と共に運動機能の改善にも時間を要するため、長期の入院やリハビリ目的の転院が必要となる場合が多くなります。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 55 18.13 17.35 10.91% 87.00
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2-なし 35 3.71 4.36 2.86% 71.51
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2-なし 31 2.26 3.06 0.00% 68.97
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1-なし、1あり 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし 22 9.14 11.87 0.00% 67.18
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1-なし 1,3あり 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし 20 8.70 10.24 0.00% 82.30
心臓に何らかの原因があり、体がむくむ疾患すべてが心不全と呼ばれる疾患です。心臓に不調をきたす原因としては、心筋梗塞、不整脈、心臓弁膜症などがあげられます。いずれも加齢が大きく関与する疾病であり、当院での心不全の入院患者の平均年齢は85歳を超えております。入院での薬物療法・リハビリなどの治療を終了して退院の後は、近隣の介護施設、クリニックの先生と連携し、地域で支える体制を心掛けております。
2位から4位の入院理由は、狭心症や急性心筋梗塞です。狭心症の治療や検査の入院に関しては、入院当日の治療・検査を実施することで、全国より入院日数が短くなっております。本年度(2022年度)は、急性心筋梗塞の患者さんの受け入れも多く、可能な限り対応しております。
徐脈性不整脈では、当院でペースメーカーの植え込みをした方を定期的に電池等の状態を観察していますが、電池は5~10年程度で消耗するため、交換を行っております。現在では、その多くは5日以内の入院です。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-1あり 12 21.75 13.74 16.67% 72.92
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし
180040xx99x0xx 手術180040xx99x手術・処置等の合併症 手術なし 手術・処置等2-なし
慢性腎臓病の保存期の患者さんには、食事療法、薬物療法を行っています。更に、血圧管理や血糖管理栄養指導等を行い、多方面より腎機能悪化を予防する加療を行っています。また、高齢の患者さんは尿路感染症の合併も多く、抗菌薬加療を行っています。
腎代替療法が必要な慢性腎臓病ステージG5の方には、血液透析、腹膜透析、腎移植を提案させていただき、患者さんの希望される治療方法をともに検索し、お身体に負担のない治療を選択させていただきます。腎炎やネフローゼを疑う症例に対しては、高度医療機関と密に連絡を取り合い、検査方針、治療方針を決定しております。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 39 2.97 2.65 0.00% 69.95
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 30 7.83 7.70 0.00% 61.23
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの)その他の手術あり 手術・処置等2-なし 22 12.09 10.84 13.64% 79.50
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2-なし 20 12.30 8.74 10.00% 80.10
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2-なし 20 24.65 20.57 30.00% 87.55
内視鏡検査を受けられ、大腸ポリープがあればその場でポリープを切除することができます。小さいものであれば日帰り、大きいものの場合は基本的に1泊ほど経過観察入院となります。
大腸憩室は、炎症を起こし腹痛の原因となったり、出血し下血の原因となることがあります。複数の抗凝固薬等を服用している方も多く、止血に時間がかかることがあります。その場合は入院期間が少し長くなることがあります。
胃・十二指腸潰瘍は小さなものは外来で内服治療を行いますが、大きなったり出血を伴うようになると入院治療を行います。
虚血性腸炎は、軽症であれば外来治療が可能ですが、高齢者は炎症が強くなることが多く、入院が長くなりやすいようです。
嚥下機能の低下した高齢者の誤嚥性肺炎は、全身機能の低下も併発していて入院期間が長くなる傾向にあります。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし 55 11.84 9.21 10.91% 78.24
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 35 6.77 4.74 2.86% 67.31
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病-なし 22 11.77 7.11 4.55% 65.50
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 22 6.14 5.40 0.00% 39.59
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など)腹腔鏡下胆嚢摘出術等 19 7.16 6.25 0.00% 65.58
前年度に入院治療をおこなった疾患の内訳で最も多かったのは胆道系の疾患です。これらは上位5種のうち第1位、3位、5位となっています。これらはいずれも胆嚢結石に起因する胆管炎・胆嚢炎・胆石発作に対する治療であり、胆管炎に対しては経口的内視鏡治療を、胆嚢結石に対しては腹腔鏡による胆嚢摘出手術による治療を多数おこなっています。
 第2位の鼠径ヘルニアについてはほぼ全ての症例で腹腔鏡手術をおこなっています。第4位の虫垂炎手術はすべての症例で腹腔鏡下手術をおこなっています。診断がつき次第速やかに治療開始可能であり、合併症率も低く短期間での退院が可能となっています。
 これらの治療においては、安全に滞りなく進むために作成されたクリニカルパスという治療計画書のスケジュールに沿っておこなうことを基本としています。
 全ての疾患において短期間入院と早期社会復帰が理想ではありますが、高齢化社会を反映し様々な並存疾患を有する患者様が多く、また介護の問題により長期入院を希望される方も多いために平均在院日数が全国平均よりも長くなる場合もあります。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 1 8版
大腸癌 14 1 8版
乳癌 1 8版
肺癌 10 1 8版
肝癌 1 8版
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院では5大癌(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)のうち乳癌以外の全てに標準治療体制を整えています。
 病期分類とは癌の大きさと拡がりの程度、リンパ節転移、遠隔転移の有無によりステージIからIVまでを分類するもので、ステージIVがもっとも進行した病態を表します。当院の集計では、特に胃癌や大腸癌においては健診や内視鏡検査の普及がステージIもしくはIIの比較的早期のがん発見に寄与している可能性が示唆されました。当院の消化器外科で治療を行う症例の多くはステージIII以上の進行癌です。その治療法は手術や化学療法が主ですが、専門医チームによる詳細な検討により、個々の症例に最適な治療法を選択します。
 ステージIVの最も進行した癌に対しても可能な限り手術と化学療法による積極的治療をおこなっています。化学療法に関しては治療ガイドラインに準じた最新の標準治療をおこなっており、医師、化学療法認定看護師、緩和ケア認定看護師、薬剤師とともに副作用対策も含めたチーム医療を実践しています。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 19 19.42 85.00
重症 46 17.72 81.83
超重症
不明
市中肺炎の重症度の指標となっている「A-DROP」を使用して重症度を算出しており、0点が軽症、1~2点が中等症、3点が重症、4~5点が超重症に位置付けられます。当院では、重症の症例がかなり多くを占めていますが、在院日数も重症度に関わらず、比較的早期の退院が達成できています。その理由は、急性期のうちの早期離床が効果を発揮しています。また、周辺の療養型病院や施設との地域連携も図れているものと考えております。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 62 24.02 82.00 40.22%
その他 30 24.20 76.87 13.04%
毎年100名近い脳梗塞の方が入院されています。当院では、急性期の精査加療、リハビリテーションを行っています。症状によってすぐに自宅へ退院することが困難な場合もあります。そのような場合は、回復期病院と連携し、身体機能の回復を図っていきます。
発症後、3日以降に入院される方は比較的軽症であるため転院するような割合が低くなっていると思われますが、それでも転院でのリハビリ訓練が必要な方はいらっしゃいます。脳梗塞の後遺症は発症後、出来る限りの早期治療、リハビリ介入により改善できる可能性があります。
違和感を感じた際には、早期の受診を心掛けていただくと幸いです。
平均在院日数がやや長めになっておりますが、これは高齢の方が多く、運動機能の改善に時間がかかる事や退院後に介護できる人がいない等の社会的背景の複雑さが影響していると思われます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 14 2.14 4.79 0.00% 36.07
K509-4 気管支瘻孔閉鎖術
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)
K5143 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)
症例数の最も多い胸腔鏡下肺切除(肺嚢胞切除)は気胸に対して行う手術であり、肺嚢胞が破れて胸腔内に空気が漏れて肺が縮んで胸痛、呼吸苦などの症状がみられます。この疾患に対し、内視鏡を用いて完全に修復する手術で、当院ではクリニカルパス(注)8日間を全ての症例に使用して、術後5日以内の退院を達成しており、自宅復帰は100%です。手術は皮膚に1㎝の切開を3ヵ所開けるだけで行いますので、術後の痛みも少なく、創部も目立たないため美容面でも大きなメリットがあります。肺癌などの肺悪性腫瘍に対しても同様にクリニカルパスと内視鏡切除を行い、こちらは術後12日以内での社会復帰が可能となっております。

※クリニカルパス・・・疾患別に入院中に行われる検査、治療等の医療行為や患者さんの療養に関するスケジュールを予め計画したもの。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 108 2.45 25.06 61.11% 84.31
K0811 人工骨頭挿入術(股) 50 2.44 23.34 66.00% 84.96
K0462 骨折観血的手術(下腿、上腕、手舟状骨) 45 3.49 24.56 11.11% 63.51
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 (前腕、下腿) 20 1.10 8.75 5.00% 52.45
K0731 関節内骨折観血的手術(肩、股、膝、肘) 18 2.22 22.06 22.22% 72.39
整形外科の令和3年度の手術は497件でした。
一昨年度より症例数が45件ほど減少していますが、コロナ専用病床の確保により、一般で入院できるベッドの数が減った影響と考えます。
当院では、大腿骨や上腕骨の骨接合術と人工骨頭置換術が多数を占めます。その他、四肢の骨折の件数も多く、高齢者の骨折の治療が主となっています。高齢の方は、元々持病を持っている場合が多く、全身状態が手術に耐えられるか否かの検査を行う必要があり、術前検査と治療に日数を要する場合があります。また、術後はリハビリ専門の病院へ転院することが多いですが、急性期病棟から院内にある地域包括ケア病棟に移り、自宅退院までリハビリを行う方もいるため術後の在院日数はやや長くなっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術
脳神経外科の手術はいずれも慢性硬膜下血腫の血種洗浄術でした。
慢性硬膜下血腫は、頭部打撲や抗血栓剤服用中に発病することの多い疾患です。高齢者に多く見られます。歩行障害や認知症様の症状を呈することが多く、頭部CTやMRI等の画像診断の普及で比較的早期に発見されることが多くなってまいりました。
局所麻酔を行い、頭蓋骨に1個の穴を開けて、貯留した血液を吸引洗浄することで治すことが可能です。このような手術を慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術と呼ばれています。良性疾患であり、大部分の方は手術後速やかに症状は消失し、発病前の状態に戻られます。
肛門外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7462 痔瘻根治術(複雑なもの) 63 0.97 4.40 0.00% 46.49
K7434 痔核手術(脱肛を含む。)根治手術(硬化療法(四段階注射法によるもの)を伴わないもの) 25 1.12 5.92 0.00% 55.20
K7461 痔瘻根治手術(単純なもの) 24 1.13 4.67 0.00% 41.21
K745 肛門周囲膿瘍切開術 21 0.24 3.90 0.00% 39.29
K7435 痔核手術(脱肛を含む。)根治手術(硬化療法(四段階注射法によるもの)を伴うもの) 13 1.23 4.62 0.00% 56.08
当科における手術件数が最たるものは、痔瘻根治術(複雑なもの)、次いで痔核手術、痔瘻手術(単純なもの)、肛門周囲膿瘍切開術、痔核手術(4段階手術療法を伴うもの)の順となっています。
最多の痔瘻根治術(複雑なもの)は、ほとんど他院からの紹介患者で再発、免疫抑制剤、抗癌剤内服といった難治症例や全身状態に問題のある症例が多いです。
そのため当院では術式に工夫しており、患者の全身状態に応じた手術を行っています。(括約筋損術、Seton術など)
しかし、そのほとんどで行う術式は、括約筋温存術(LIFT変法)ですが、良好な成績を修めており、失禁などのQOLを損なうような合併症は皆無です。通常クリニカルパスで行っており、術後4日で退院としています。
痔核手術も従来の切除(LE)は、疼痛、出血、機能低下といった合併症はある一定の確率で併発するため、当院では嵌頓痔核や裂肛が付随する痔核以外はACL(つり上げ固定術)を第一に選択としています。ACLは剥離操作のみで肛門上皮の切除はなく筋組織の損傷もないため、痛みもなく術後の再発は認めていません。ALTAもACLに併用していましたが、ALTAを併用すると術後の痛みを訴える患者さんが少なからず見られ、ALTAは単独にて用いる方針としています。
痔瘻、痔核、膿瘍、裂肛(肛門狭窄含む)の転院率は0%です。
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 10 1.20 16.20 10.00% 79.3
当科で行っている血管塞栓術とは、鼠径部にある動脈から肝癌へ栄養を送る血管までカテーテルを挿入し、抗癌剤、塞栓物質を用いて塞栓を行い癌への栄養の供給をストップする手術となっています。
通常は、肝機能が改善すると退院可能となりますが、術後の合併症により退院が延長されることがあります。また、年齢の若い方に比べ、ご高齢の方は退院まで多少時間がかかります。
神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 内視鏡的胃瘻造設術
神経内科が携わる疾患は、パーキンソン病や脳梗塞などの嚥下機能が低下するものが多く存在します。そのような患者さんは誤嚥性肺炎のリスク等で経口摂取が難しくなるため、胃瘻造設を行う場合があります。
多くは事前の薬剤調節や全身状態の管理が必要となるため、神経内科で入院し、準備が整ってから消化器内科の医師と連携し手術に臨みます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 その他のもの 28 1.50 7.75 3.57% 74.57
K8412 経尿道的前立腺手術(その他のもの) 17 3.76 11.47 0.00% 75.59
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 11 0.91 11.73 9.09% 75.18
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき)
当科で最も多い手術は、膀胱癌に対する内視鏡的切開術であり、表在性腫瘍に対して治療を行っています。クリニカルパスを使用し、術後7日間で退院が可能です。前立腺肥大に関しては、経尿道的前立腺切除術(TURP)を行っています。
経尿道的尿管ステント留置術は、閉塞性尿路感染症の治療の一環として行うことが多いため、長めの入院となっています。
体外衝撃波腎・尿管結石破砕術は基本的に外来で治療を行っていますが、入院で行う事もあります。(治療患者数は外来・入院合計で68例)

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 33 0.55 5.15 0.00% 70.85
K597-2 ペースメーカー交換術 14 0.07 4.07 0.00% 81.50
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 10 0.00 9.20 0.00% 64.70
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの
経皮的冠動脈ステント留置あるいは形成術は、心臓を栄養する血管(冠動脈)の動脈硬化により、狭心症や心筋梗塞に対する治療法です。手首や鼠径部を局所麻酔し、血管からカテーテルという細い管を冠動脈まで到達、挿入し、風船や細かい金属の管を用いて、細くなった(あるいは詰まった)血管を治療する内科的な手術です。その重症度や緊急性によって細かく区分されておりますが、当院での症例数は本年度(R4年度)は増加傾向にあります。
ペースメーカー交換術は、ペースメーカー埋め込みから5~10年程度経過すると電池が消耗するため、電池切れになる前に取り換える手術です。当院では、5日以内に退院できるように心掛けております。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回)
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合
当科では、腎代替療法の導入を行っており、必要に応じて血液透析を選択された患者さんには内シャント造設術や長期留置型カテーテル挿入術等を施行しております。腹膜透析導入時には、腹膜透析カテーテル挿入術を施行しております。
シャント作製後は、数日で退院が可能ですが、ご高齢の患者さんや視力の悪い患者さん等、自宅での創部消毒処置が困難な場合は、抜糸まで入院を継続していただき、その間に合併症に対する精査を行っています。そのため入院期間が長期化していると考えられます。
維持血液透析中の患者さんのバスキュラーアクセス管理を行っております。定期的なシャントエコーにて評価を行い、必要時にはカテーテルを用いてシャント狭窄を改善させるPTAを行います。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝未満) 52 2.29 4.58 5.77% 71.65
K654 内視鏡的上部消化管止血術 29 0.59 11.00 6.90% 77.72
K664 内視鏡的胃瘻造設術 15 2.93 9.40 40.00% 82.00
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 13 0.69 6.15 0.00% 79.31
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝以上)
内視鏡検査で大腸にポリープがあれば、その場で内視鏡で切除することができます。一般的には1泊2日入院ですが、大きなポリープを切除した場合は、術後の出血や穿孔が起こらないのかの経過観察入院を数日以内で行うことがあります。
内視鏡的消化管止血術は、主に胃・十二指腸潰瘍からの出血に対し、緊急内視鏡を施行し止血します。大きな潰瘍や深い潰瘍の患者さんが多く、入院期間が長くなることがあります。
ご高齢の場合や脳梗塞等により嚥下機能が低下した場合、栄養を供給するための胃瘻を造設することがあります。まず、安全に造設できるか検査を行ってから、内視鏡を用いて手術を行います。胃瘻ができた後に、施設や療養型病院へ転所、転院することもあります。
下血の原因として多いのは、憩室や潰瘍です。主に緊急内視鏡で止血を行います。1週間ほどで退院できるケースが多く、経過は良好といえます。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 58 1.00 14.22 15.52% 78.24
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 42 2.14 6.48 2.38% 65.71
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 33 1.45 4.39 3.03% 67.88
K681 胆嚢外瘻造設術 28 1.86 22.00 28.57% 77.18
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 23 0.30 4.91 0.00% 41.04
当院の外科系治療の中で最も多いものは内視鏡的胆道ステント留置術ですが、これは総胆管結石症・胆管炎に対する内視鏡的治療のことです。高齢者に多い疾患であることや疾患の性質上複数回治療が必要となることが多く、入院期間も他疾患に比べ長い傾向にあります。
次いで件数の多い手術が胆嚢結石症や急性胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術です。特に緊急性の高い急性胆嚢炎症例に対しては迅速な診断と早期手術が可能な体制を整えており、良好な術後成績が得られています。
3番目に多い鼠径ヘルニアに対する治療にも当科では力を入れており、2014年より腹腔鏡手術を導入しています。これにより患者さんの負担はより軽くなり、入院期間の短縮にも繋がっています。
 4位の胆嚢外瘻造設術は急性胆嚢炎に対して緊急的におこなう小手術です。根治手術である胆嚢摘出術に先だっておこなうことで炎症を鎮め、安全な手術成績に寄与する処置となります。
虫垂炎に対する手術も腹腔鏡手術を基本としています。胆嚢摘出術、鼠径ヘルニア根治術、虫垂切除術に関してはクリニカルパスという計画的治療を導入しており、治療法の均一化を図ることで、入院期間の短縮と安全性を高めています。
 そのほか表に示す以外にも胃癌、大腸癌、すい臓癌、肝臓癌、胆管癌に対しても専門医による治療体制を整えています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 10 0.29%
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 19 0.55%
異なる
敗血症とは、細菌感染によって全身炎症反応が起こり、これによって重要な臓器の障害が引き起こされる病態です。誤嚥性肺炎、急性胆管炎等の疾患が契機で入院して来られた患者さんのうち、重篤化し敗血症に至るものや敗血症の患者さんが緊急入院し、そのまま敗血症の治療をするケースもあります。
手術・処置等の合併症の症例としましては、創部の感染等が主な原因となっています。主疾患が重篤である一部の患者さんから発生しているケースが多いです。
臨床上、発生率を「0」にすることは非常に難しいですが、当院ではその発生を防ぐため厳重な対応をしています。

※(-)ハイフン…10症例未満の場合
更新履歴
2022/09/26
病院情報を公開しました。 > 令和2年度の「病院指標」はこちらからご覧いただけます。