令和4年度 福西会病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 39 70 87 152 225 400 767 984 417
当院で令和4年4月1日~令和5年3月31日までに退院された患者さんの数になります。年齢を10歳単位で分けて集計しています。
退院患者さんの合計は3,141人でした。70歳以上の患者さんが全体の69%を占めており、半数以上がご高齢の患者さんとなっています。
当院の位置する福岡市早良区は、福岡市7区の中で面積が一番広く北から東方面は都心寄りで、南西部は佐賀県境の山地があり、ふもとには田園風景が広がります。当院は同区のほぼ中心にあり、比較的高齢者の方が多い地域にあたるためと考えます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路感染症 手術なし 14 17.57 13.61 28.57% 84.29
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし
0400801499x011 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病あり 重症度等A-DROPスコア1
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし
当科は、内科疾患に幅広く対応しています。症例数は多くありませんが、基本的に早期退院を目標としています。当科で扱っている上位5位疾患を見ると、高齢者が多く、一部平均在院日数が長くなっている診断群もありますが、全国平均と遜色ないか、短い日数で退院できています。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
呼吸器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 48 27.46 21.11 50.00% 84.94
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 18 8.61 9.68 0.00% 27.83
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 15 23.67 18.57 20.00% 73.60
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 21.27 13.68 0.00% 71.67
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1-2あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 13 9.54 3.05 7.69% 68.15
昨年度と比較し、呼吸器内科常勤医の増員により入院患者数は増加しています。疾患の内訳としては、高齢化を反映し誤嚥性肺炎が特に多くなっています。誤嚥性肺炎の方は嚥下訓練継続等の目的で転院を要することも多く、入院期間がやや長い傾向にあります。誤嚥性肺炎の他にも、気胸や慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎等の診察にも積極的に取り組んでおります。近隣の医療機関と連携を図りつつ地域医療に貢献したいと考えております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし
080250xx99x0xx 褥瘡潰瘍 手術なし 手術・処置等2なし
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上)手術・処置等2なし
080250xx9701xx 褥瘡潰瘍 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2あり
060370xx99x0xx 腹膜炎、腹腔内膿瘍(女性器臓器を除く。)手術なし 手術・処置等2なし
外科での入院症例で最も多いのは蜂巣炎でした。平均年齢が約63歳と昨年に比べ高齢者が減り、若い世代の蜂巣炎も加療対象となっています。次に多い症例が褥瘡による潰瘍です。認知症を伴っており、安静が保てないこと、食事摂取やADLの改善に時間を要する症例が多かったことが長期入院に繋がったと言えます。更に、蜂巣炎も同様に、高齢者では、COVID-19の影響で施設受け入れが困難であった症例が多く、退院・転院調整に時間がかかったことと、当院入院時に広範囲・難治性の症例が増えたことも影響しているようです。最近では、重症や難治性褥瘡が増加しています。全身状態の悪化や低栄養状態を伴う症例が多く、加療期間も長期化しているのが現状です。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 187 32.53 26.42 54.55% 84.01
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)手術なし  31 22.52 20.09 67.74% 83.19
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 14 31.64 14.17 28.57% 79.57
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 14 7.86 4.86 0.00% 59.14
160820xx01xxxx 膝関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)足、指(手、足)その他等 11 40.27 18.84 27.27% 71.36
整形外科では、主に高齢者の骨折、外傷が多くなっています。
内訳で一番多いのが、股関節周囲の骨折で、2番目が胸腰椎以下の骨折による入院となっています。リハビリテーション専門の病院へ転院を積極的に行っていますが、当院にある地域包括ケア病棟に移り、リハビリテーション等、継続して加療を受けることもできます。このように自宅退院までリハビリテーションを行う方もいるため、平均在院日数が全国平均よりやや長くなっています。3番目の肩関節周辺の骨折も、骨脆弱性による高齢者によく見られる骨折であり、多くの場合が自宅復帰可能までリハビリテーションを行っているため、在院日数は長くなっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 18 24.44 8.54 16.67% 75.94
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 17 21.65 10.14 17.65% 76.53
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血種(非外傷性硬膜下血種以外)(JCS10未満)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 12 29.83 19.58 41.67% 80.00
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血種 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 手術・処置等2なし 定義副傷病なし
010010xx9900x 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし
頭部外傷で手術を必要とせず、保存的治療を行った患者さんの多くは高齢の方であり、転倒や交通事故による頭部打撲が主たる原因でした。外傷による頭蓋内損傷で手術に至った事例は、いずれも慢性硬膜下血腫によるものでした。頭部外傷の患者さんは、後期高齢者が多く、全体状態の悪化や回復後のリハビリテーションを要しており、入院期間が全国平均に比して長くなっております。
脳腫瘍で入院加療を行ったケースは、他院での手術あるいは放射線治療後であり、化学療法及びリハビリテーションを実施した患者さんでした。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
肛門外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060235xx97xxxx 痔瘻 手術あり 61 5.97 5.68 0.00% 40.79
060241xx97xxxx 痔核 手術あり 53 8.38 5.46 0.00% 60.08
060230xx97xxxx 肛門周囲膿瘍 手術あり 49 5.49 8.64 0.00% 44.80
060220xx97xxxx 直腸脱、肛門脱 手術あり 15 10.60 8.93 0.00% 79.73
060260xx97xxxx 裂肛、肛門狭窄 手術あり
痔瘻 手術あり は、深部痔瘻(坐骨直腸窩痔瘻、骨盤直腸窩痔瘻)と単純痔瘻を指し、深部痔瘻は難治とされます。通常の病院、医院では治療に難渋することが多く、当院への紹介率が高いです。当院では痔瘻に伴う肛門周囲膿瘍に対して全身麻酔科に切開排膿を行った後、いずれの型の痔瘻に対しても括約筋温存痔瘻根治術を施行しています。その成績は98%完治と他施設と比べても良好な結果を示しています。
痔瘻、肛門周囲膿瘍に限らず、当院の肛門外科の患者は、ほぼ他院からの紹介患者さんであり、殆どが加療を受けても改善しなかった症例や高齢者、抗凝固薬血小板薬内服、担癌状態など全身状態に問題がある症例が多いです。そのため痔瘻、痔核、直腸脱(肛門脱)、裂肛(肛門狭窄含む)の平均在院日数は全国平均より約1~2日長くなっています。
逆に肛門周囲膿瘍に関してはMRIにて十分な検討が術前になされ、全身麻酔にて手術をするため、手技は過不足なく最短入院期間(当院5.49日、全国8.64日)にて退院できるのが特徴です。
痔瘻、痔核、膿瘍、直腸脱の転院率は0%です。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)その他の手術あり 手術・処置等2なし
060050xx99000x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし
060050xx99001x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病あり
140550xx97x0xx 先天性嚢胞性腎疾患 手術あり 手術・処置等2なし
160600xxxxxxxx 四肢血管損傷
肝癌の治療としては内科、外科と協力して手術、肝動脈塞栓術や抗癌剤療法を行っています。その中でも主に肝動脈塞栓術を施行しています。当院の患者さんは全国平均と比較して高齢の患者さんが多く、若干入院日数が長くなっています。
また、喀血に対する動脈塞栓術や胃静脈瘤や肝性脳症に対するBRTO(バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術)や緊急血管造影も行っており、当科では良好な治療成績を認めています。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 31 14.90 7.33 9.68% 66.42
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 20 6.65 4.79 0.00% 68.45
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 手術・処置等2なし 10 8.20 6.30 0.00% 76.40
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日以内、かつJCS10未満)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 定義副傷病なし 重症等発作前Rankin Scale
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 
当院ではてんかんで入院される方が最も多いです。めまいで入院される方も多く、初期対応の際は脳卒中との鑑別が必要です。実際にめまいを主訴に脳梗塞が見つかるケースも少なくありません。
脳梗塞患者は、超急性期の場合より専門性の高い病院へ搬送することもありますが、急性期は当院でも加療し、その後のリハビリテーションまで行っています。症状によってはすぐに自宅へ退院することが困難なケースもみられます。そういった場合、回復期病院と連携し、身体機能の回復を図っていきます。パーキンソン病をはじめとする変性疾患については、薬剤調整やリハビリテーションを主とした入院加療を行っています。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 53 16.25 13.61 7.55% 80.87
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 35 9.06 6.85 0.00% 76.31
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 34 2.00 2.45 0.00% 71.47
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 17 18.71 7.82 0.00% 75.76
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 16 4.69 2.49 0.00% 49.13
当科では発熱性尿路感染症の入院患者が最多であり、入院期間は16日程度と全国平均よりやや長くなっていますが、高齢で全身状態の悪い患者さんの割合が高いためと考えられます。前立腺の悪性腫瘍に関しては、検査のため前立腺生検が最多で1泊2日の入院を行っています。膀胱腫瘍に関しては、経尿道的膀胱腫瘍手術が多く、入院期間は10日前後です。前立腺肥大症に対しても経尿道的手術を行っています。尿路結石に対する体外衝撃波結石破砕術に関しては、原則として外来で行っていますが、患者さんの状態によって入院で行うこともあります。
循環器内科 
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 重症度等 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 63 20.42 17.54 18.75% 84.13
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 37 3.44 4.26 2.78% 72.81
050050xx9920x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-2あり 手術・処置等2なし 重症度等他の病院・診療所の病棟からの転院以外 33 2.06 3.22 0.00% 69.09
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 25 11.56 9.89 0.00% 80.88
050130xx9910xx 心不全 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2なし 20 15.05 14.28 15.00% 79.65
心臓の不調が原因で、体がむくむ状態が心不全です。心臓の不調をきたす原因としては、心筋梗塞、不整脈、心臓弁膜症などがあります。当診療科の入院の多くを占める疾患です。高齢者が多く、入院期間はやや長い傾向にありますが、薬物療法・リハビリなどの治療と同時に再入院とならないように、退院支援看護師やソーシャルワーカーなどと相談しながら近隣の介護施設、クリニックの先生と連携し地域で支える体制を心掛けております。
狭心症の治療や検査の入院に関しては、入院当日の治療・検査を実施することで、全国より入院日数が短くなっております。昨年に引き続き検査の件数は増加しております。
徐脈性不整脈は、脈をつくりだす源の不調、脈を伝える電気信号の断絶で脈が遅く難ることで、心不全・意識障害などを引き起こす疾患です。その治療には、ペースメーカーの植込み手術が必要となることが多いです。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 15 14.27 11.77 6.67% 74.47
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等手術・処置等2なし 定義副傷病なし
110280xx97x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2-1あり
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-1あり
慢性腎臓病の保存期の患者さんには食事療法、薬物療法を行っています。さらに、血圧管理や血糖管理栄養指導等を行い、多方面より腎機能悪化を予防する加療を行っています。また、高齢の患者さんは尿路感染症の合併も多く、抗菌薬加療を行っています。
腎代替療法が必要な慢性腎臓病ステージG5の方には、血液透析、腹膜透析、腎移植を提案させていただき、患者さんの希望される治療方法をもとに検索し、お身体に負担のない治療を選択させていただきます。腎炎やネフローゼを疑う症例に対しては、高度医療機関と密に連絡を取り合い、検査方針、治療方針を決定しております。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060380xxxxx0x ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 33 10.30 5.70 0.00% 60.42
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 26 2.32 2.64 0.00% 66.32
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの)その他の手術あり 手術・処置等2なし 24 12.63 10.88 4.17% 70.38
060102xx02xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 小腸結腸内視鏡的止血術等 19 8.05 9.41 5.26% 70.74
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 19 9.47 7.63 0.00% 63.32
色々な原因で腸炎を発症しますが、症状が重いと入院治療を行っています。
基本的には短期入院ですが、高齢者は腸炎により身体が弱り入院期間が長引く傾向にあります。
大腸ポリープ切除は小さいものは日帰りですが、大きなものは経過観察のため1日ほどの入院としています。
吐血や下血の原因の一つである潰瘍からの出血は内視鏡を用いて止血し治療を行っています。大腸の憩室は、出血や炎症を起こすことがあります。出血は内視鏡で止血することもありますが、なかなかすぐ出血が止まらないことがあります。憩室炎は腹痛や発熱の原因となります。炎症が強い場合は入院期間が長くなることがあります。
いずれも高齢になるとすこし入院期間が延びやすい傾向があります。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 53 7.70 4.59 0.00% 70.92
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎、限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等なし 定義副傷病なし 51 12.33 8.94 9.80% 74.65
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など)腹腔鏡下胆嚢摘出術等 24 7.79 6.07 0.00% 63.04
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 19 5.74 5.32 0.00% 31.21
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 19 8.32 6.93 0.00% 59.00
直近1年間で入院治療を行った疾患で最も多かったもの鼠径ヘルニアです。9割以上の症例で腹腔鏡による最新の根治手術を行っています。
次に多いのは胆道系疾患です。これらはいずれも胆嚢結石や腫瘍に起因する疾患(胆管炎・胆嚢炎・胆石発作など)であり、胆管炎に対しては経口的内視鏡治療を胆嚢結石や胆嚢炎に対しては腹腔鏡による胆嚢摘出術を多数行っています。
第5位の虫垂炎手術は全ての症例で腹腔鏡下手術を行っています。診断がつき次第速やかに治療開始可能であり、合併症率も低く短期間での退院が可能となっています。これらの治療においては、安全に滞りなく進むために作成されたクリニカルパスという治療スケジュールに沿って行うことを基本としています。
全ての疾患において短期間入院と早期社会復帰が理想ですが、特に高齢の患者さんにおいては様々な併存疾患を有する場合が多く、また介護の問題により長期入院を希望される方も多いために平均在院日数が全国平均よりも長くなる場合もあります。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 14 1 8版
大腸癌 13 21 19 1 8版
乳癌 1 8版
肺癌 18 11 1 8版
肝癌 1 8版
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院では、5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)のうち、乳癌以外の全てに標準治療体制を整えています。
病期分類とは、癌の大きさと拡がりの程度、リンパ節転移、遠隔転移の有無により、ステージⅠ~Ⅳまでを分類するもので、ステージⅣがもっとも進行した病態を表します。当院の集計では、特に胃癌においては、健診や内視鏡検査の普及がステージⅠの早期癌発見に寄与している可能性が示唆されました。
それに対して、大腸癌の多くは、ステージⅢ以上の進行癌であり、胃癌に比べると検診や内視鏡検査の普及が遅れていることが推測されます。治療法は手術や化学療法が主ですが、専門医チームによる詳細な検討により個々の症例に最適な治療法を選択します。
上記結果のとおり、当院では大腸癌の手術症例が比較的多くなります。肺癌は発見時にステージⅣと高度に進行しているケースが多く、その結果手術件数も少なくなります。
また肝臓癌に関しては、それぞれのステージで10症例未満ですが、手術可能な症例に対しては積極的に治療を行っています。
以上、当院ではステージⅣの最も進行した癌に対しても患者さんの背景やご希望に応じて可能な限り手術と化学療法による積極的治療を行う方針としています。化学療法に関しては、治療ガイドラインに準じた最新の標準治療を行っており、医師、化学療法認定看護師、緩和ケア認定看護師、薬剤師とともに副作用対策も含めたチーム医療を実践しています。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 11 7.55 53.73
中等症 43 20.00 80.53
重症
超重症
不明
市中肺炎の重症度の指標となっている「A-DROP」を使用して重症度を算出しており、0点が軽症、1~2点が中等症、3点が重症、4~5点が超重症に位置付けられす。入院患者の大部分は中等症以上で平均年齢が80歳以上とご高齢の方が多くなっています。リハビリテーションを要する方が多く、入院期間がやや長くなっていますが、周辺の療養型病院や施設との連携によって、より早期の退院を目指す方針です。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合


脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 59 24.83 81.88 47.46%
その他 16 27.25 75.50 31.25%
脳梗塞では昨年75名が入院しています。
発症後、数時間の場合は超急性期の治療が可能な病院に搬送することがありますが、急性期以降は当院で対応可能です。脳梗塞は発生機序により治療が変わるため原因精査を行います。
また、脳梗塞の症状を回復させるため、早期から積極的なリハビリテーションを行います。回復に時間を要する場合は、地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病院への移行も調整していきます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 18 3.22 4.39 0.00% 27.83
K509-4 気管支瘻孔閉鎖術
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 (部分切除)
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除または1肺葉を超えるもの)
K496-2 胸腔鏡下醸膿胸膜又は胸膜胼胝切除術
症例数の最も多い胸腔鏡下肺切除(肺嚢胞手術)は気胸に対して行う手術であり、肺嚢胞が破れて胸腔内に空気が漏れて肺が縮んで胸痛、呼吸苦等の症状がみられます。この疾患に対し内視鏡を用いて破れた肺を完全に修復する手術で当院ではクリニカルパス(※)8日間を全ての症例に使用して術後5日以内の退院を達成しており自宅復帰は100%です。内視鏡手術は皮膚に1㎝の切開を3ヵ所開けるだけで行いますので、術後の痛みも少なく創部も目立たないため美容面でも大きなメリットがあります。肺癌等の肺悪性腫瘍に対しても同様にクリニカルパスと内視鏡切除を行い、こちらは術後12日間以内での社会復帰が可能となっております。

※クリニカルパス・・・疾患別に入院中に行われる検査、治療等の医療行為や患者さんの療養に関するスケジュールを予め計画したもの
※※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 130 1.99 31.14 52.31% 83.71
K0811 人工骨頭挿入術(股) 73 2.70 26.97 47.95% 84.07
K0462 骨折観血的手術(下腿、前腕) 18 4.11 29.39 5.56% 62.50
K0463 骨折観血的手術(鎖骨、膝蓋骨、手、足) 17 2.50 31.13 25.00% 69.39
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕、下腿) 15 1.00 4.00 0.00% 56.33
整形外科の令和4年度の手術は508件でした。
当院では、大腿骨や上腕骨の骨接合術と人工骨頭置換術が多数を占めます。その他、四肢の骨折の件数も多く、高齢者の骨折の治療が主となっています。高齢者の方は、元々持病を持っている場合が多く、全身状態が手術に耐えられるのかの検査を行う必要があり、術前検査と治療に日数を要する場合があります。また、術後はリハビリ専門の病院へ転院することが多いですが、急性期病棟から当院にある地域包括ケア病棟に移り、自宅退院までリハビリを行う方もいるため術後の在院日数はやや長くなっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 17 1.71 17.06 11.76% 78.06
脳神経外科の手術はいずれも慢性硬膜下血腫の血種洗浄術でした。
慢性硬膜下血種は、頭部打撲や抗血栓剤服用中に発病することの多い疾患です。高齢者に多く見られます。
歩行障害や認知症様の症状を呈することが多く、頭部CTやMRI等の画像診断の普及で、比較的早期に発見されることが多くなってまいりました。
局所麻酔を行い、頭蓋骨に1個の穴を開けて、貯留した血液を吸引洗浄することで治すことが可能です。このような手術を慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術と呼ばれています。良性疾患であり、大部分の方は、手術後速やかに症状は消失し、発病前の状態に戻られます。
当院で慢性硬膜下血腫の手術を行った方の平均年齢は78歳と高齢であり、手術後にリハビリテーションを要する患者さんも多く、手術後の入院日数がやや長くなっております。
肛門外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7462 痔瘻根治術(複雑なもの) 63 1.00 4.03 0.00% 42.17
K7434 痔核手術(脱肛を含む。)根治手術(硬化療法(四段階注射法によるもの)を伴わないもの) 44 1.30 5.82 0.00% 59.09
K745 肛門周囲膿瘍切開術 39 0.18 4.26 0.00% 43.18
K7421ロ 直腸脱手術 経会陰によるもの 腸管切除を伴うもの 10 1.00 9.60 0.00% 84.60
K7461 痔瘻根治術(単純なもの)
当科における手術件数が最も多いものは、痔瘻根治術(複雑なもの)、次いで痔核手術、肛門周囲膿瘍切開術、直腸脱手術、痔瘻根治術(単純なもの)の順となっています。
最多の痔瘻根治術(複雑なもの)は殆ど他院からの紹介患者で再発、免疫抑制剤、抗癌剤内服といった難治症例や全身状態に問題のある症例が多いです。そのため当科では、術式に工夫をしており患者さんの全身状態に応じた手術を行っています。(括約筋損傷術、Seton術等)しかし、その殆どで行う術式は括約筋温存術(LIFT変法)ですが、良好な成績を修めており、失禁などのQOLを損なうような合併症は皆無です。通常、クリニカルパスで行っており、術後4日で退院としています。
痔核手術(硬化療法を伴わないもの)は、2021年度よりも件数が増加しています。従来の切除(LE)は、疼痛、出血、機能低下といった合併症はある一定の確率で併発するため、当科では嵌頓痔核や裂肛が付随する痔核以外は、ACL(つり上げ固定術)を第一に選択としています。ACLは剥離操作のみで肛門上皮の切除はなく筋組織の損傷もないため、痛みもなく術後の再発は認めていません。ALTAもACLに併用していましたが、ALTAを併用すると術後痛みを訴える患者が少なからず見られ、ALTAは単独にて用いる方針です。
痔瘻、痔核、膿瘍、裂肛(肛門狭窄含む)の転院率は0%です。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)選択的動脈化学塞栓術
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)止血術
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)その他のもの
当科で行っている血管塞栓術とは、鼠径部にある動脈から肝癌へ栄養を送る血管までカテーテルを挿入し、抗癌剤、塞栓物質を用いて塞栓を行い、癌への栄養の供給をストップする手術となっています。
通常は肝機能が改善すると退院可能となりますが、術後の合併症により退院が延長されることがあります。また、年齢の若い方に比べ高齢者の方は多少時間がかかります。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。)
脳神経内科が携わる疾患は、パーキンソン病や脳梗塞等の嚥下機能が低下するものが多く存在します。その様な患者さんは誤嚥性肺炎のリスク等で経口摂取が難しくなるため、胃瘻造設を行う場合があります。
多くは事前の薬剤調整や全身状態の管理が必要となるため、神経内科に入院し、準備が整ったら消化器科の医師と連携して手術に臨みます。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 35 2.03 6.03 0.00% 76.31
K8412 経尿道的前立腺手術 その他のもの 19 5.42 13.79 5.26% 76.42
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 15 1.00 1.36 0.00% 48.93
K768 経尿道的尿管ステント留置術
K7812 経尿道的尿管結石除去術(その他のもの)
当科では最も多い手術は、膀胱癌に対する経尿道的膀胱悪性腫瘍切除術で、表在性腫瘍に対して治療を行っています。クリニカルパスを使用し、術後7日間で退院が可能です。前立腺肥大に関しては、経尿道的前立腺切除術(TURP)を行っています。尿管結石に対しては、主に体外衝撃波腎・尿管結石破砕術を基本的に外来で行っていますが(外来では67例施行)、症例に応じて入院で行うこともあります。また、結石の大きさ・部位によって内視鏡を用いた経尿道的尿管結石除去術も行っています。経尿道的尿管ステント留置術は、閉鎖性尿路感染症の治療の一環として行うことが多いため、長めの入院となっています。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 35 1.55 2.90 3.45% 72.41
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 13 0.08 7.15 0.00% 75.31
K596 体外ペースメーキング術 12 1.50 12.92 0.00% 79.50
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの
経皮的冠動脈ステント留置あるいは形成術は、心臓を栄養する血管(冠動脈)の動脈硬化により冠動脈が狭窄(あるいは途絶)し、引き起こされる疾患の狭心症や心筋梗塞に対する治療法です。手首や鼠径部を局所麻酔し、動脈からカテーテルという細い管を冠動脈まで到達、挿入し、風船や細い金属の管を用いて、細くなった(あるいは詰まった)血管を治療する内科的な手術です。従来はステント治療が主流でしたが、薬物を塗った風船で治療をする冠血管形成術では、体内に異物を残さない方法で徐々に適応が拡大しております。
体外ペースメーキング術の多くは、徐脈性不整脈により引き起こされる心不全・意識障害等を緊急避難的に主に頸部の静脈から電線のような管を挿入し、体外から電気刺激を与えることで脈拍数を上げて、症状を一時的に改善する治療です。引き続き永久ペースメーカーの埋め込み手術が必要となることが多いです。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動脈静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単独)
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回)
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3ヶ月以内に実施)
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術
当科では、腎代替療法の導入を行っており、必要に応じて血液透析を選択された患者さんには、内シャント造設術や長期留置型カテーテル挿入術等を施行しています。
シャント作製後は、数日で退院が可能ですが、ご高齢の患者さんや視力の悪い患者さん等、自宅での創部消毒処置が困難な場合は、抜糸まで入院を継続していただき、その間に合併症に対する精査を行っています。そのため入院期間が長期化していると考えられます。
維持血液透析中の患者さんのバスキュラーアクセス管理を行っております。定期的なシャントエコーにて評価を行い、必要時にカテーテルを用いてシャント狭窄を改善させるPTAを行います。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2㎝未満 39 1.59 4.38 5.88% 69.82
K654 内視鏡的消化管止血術 33 0.27 13.20 3.33% 72.33
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 25 1.08 7.48 4.00% 69.08
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 15 4.83 11.83 58.33% 75.25
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 11 0.91 18.82 9.09% 83.64
内視鏡検査の際に発見されたポリープは、その場で内視鏡を用いて切除することができます。小さなポリープの場合は、当日に帰宅できます。大きなポリープの場合は、切除後に出血や穿孔のリスクがあるため1日から状況によって数日観察入院することがあります。
吐血や下血の際は、いつでも緊急で内視鏡を用いて止血術を行っています。胃・十二指腸からの出血の場合、大きな潰瘍や深い潰瘍のことが多く、入院期間が少し長くなる傾向があります。
色々な疾患や年齢により、嚥下機能が低下し、経口摂取が困難な状態となった時に、栄養を供給する手段として胃瘻を造設することがあります。対象者は高齢者が多くなります。また、造設後に継続療養のため施設や療養型病院へ転院することも多くなっています。
胆石や腫瘍などにより、胆汁の通り道の胆管が詰まっていた場合は、詰まりを取る一つの方法としてステントというチューブ状の器具を胆管に挿入・留置します。
胆石の摘出も同時に行うこともあり、入院期間が長くなることがあります。これらの治療は消化器外科と連携して行っています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 61 2.27 12.58 8.33% 77.82
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 53 3.19 7.17 0.00% 63.25
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 46 1.78 4.91 0.00% 68.83
K681 胆嚢外瘻造設術 19 3.67 16.78 27.78% 66.89
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 18 0.72 4.56 0.00% 30.44
消化器外科系治療の中で最も多いものは、内視鏡的胆道ステント留置術ですが、これは総胆管結石症・胆管炎に対する内視鏡治療のことです。高齢者に多い疾患であることや、疾患の性質上複数回治療が必要となることが多く、入院期間も他疾患に比べ長い傾向にあります。
次いで件数の多い手術が、胆嚢結石症や急性胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術です。特に緊急性の高い急性胆嚢炎症例に対しては、迅速な診断と早期手術が可能な体制を整えており、良好な術後成績が得られています。
3番目に多い鼠径ヘルニアに対する治療にも当科では力を入れています。腹腔鏡手術による精密な手術で、再発率の低下に繋がっています。
4番目の胆嚢外瘻造設術は、急性胆嚢炎に対して緊急的に行う、体表から胆嚢を穿刺し、チューブを留置する手術です。根治手術である胆嚢摘出術に先立って行うことで炎症を鎮め、安全な手術に寄与します。ただし、初療の時点で慢性炎症を伴う場合や、心臓や肺の基礎疾患のため全身状態不良の場合は長期療養を要するケースもあり、転院率が比較的高い傾向がみられます。
5番目の虫垂炎に対しては、早期治療を基本とし、殆どの症例で受診したその日に手術を行っています。
以上、胆嚢摘出術、鼠径ヘルニア根治術、虫垂切除術に関しては、クリニカルパスという計画的治療を導入しており、治療法の均一化を図ることで、入院期間の短縮と安全性を高めています。
その他、表に示す以外にも、胃癌、大腸癌、膵臓癌、肝臓癌、胆管癌に対しても専門医による治療体制を整えています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 10 0.94%
異なる
播種性血管内凝固症候群は、悪性腫瘍や感染症等、何らかの病気や外傷が先にあり、それがきっかけとなり体内のいたるところで血が固まって血栓ができ、同時に血が止まらなくなる病気です。昨年度は入院時点の病気の治療中に感染症を引き起こし、当該病名を主とするケースが1例ありました。
敗血症とは、細菌感染によって全身炎症反応が起こり、これによって重要な臓器の障害が引き起こされる病態です。誤嚥性肺炎、急性胆管炎等の疾患が契機で入院されてこられた患者さんのうち、重篤化し敗血症に至るものや敗血症の患者さんが緊急入院し、そのまま敗血症の治療をするケースもあります。
手術・処置等の合併症の頻度は、0.39%から0.94%と1%以下です。症例としては、創部の感染症等が主な原因となっています。主疾患が重篤である一部の患者さんから発生しているケースが多いです。臨床上、発生率を「0」にすることは非常に難しいですが、当院ではその発生を防ぐため厳重な対応をしています。

※(-)ハイフン・・・10症例未満である場合
更新履歴
2023/09/27
病院情報を公開しました。 > 令和3年度の「病院指標」はこちらからご覧いただけます。